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犯罪収益移転防止法における本人確認

1 犯罪収益移転防止法とは

犯罪収益移転防止法は、犯罪による収益が組織的な犯罪を助長するために使用されるとともに、犯罪による収益が移転して事業活動に用いられることにより健全な経済活動に重大な悪影響を与えること、及び犯罪による収益の移転がその剥奪や被害の回復に充てることを困難にするものであることから、犯罪による収益の移転の防止を図り、国民生活の安全と平穏を確保するとともに、経済活動の健全な発展に寄与することを目的として制定されたものです。

マネー・ローンダリングの形態は、金融機関等による本人確認等の強化に伴い、それ以外の不動産売買などを利用したり、弁護士に資金の保管を依頼するなど、手口の複雑化・巧妙化がみられています。

犯罪収益移転防止法は、このような犯罪による収益の移転をめぐる内外の動向に対応するため、本人確認、本人確認記録・取引記録の作成・保存及び疑わしい取引の届出が義務付けられる事業者の範囲を、従来の金融機関等から、司法書士などの法律・会計の専門家に拡大するとともに、疑わしい取引に関する情報を集約・整理・分析して捜査機関等に提供する業務を担うFIUを金融庁から国家公安委員会に移管することなどを主な内容として平成 19 年3月に制定されました。

 

2 犯罪収益移転防止法と司法書士業務

犯罪収益移転防止法において、本人確認義務等を課せられるのは「特定事業者」に限ります。
特定事業者とは、金融機関等が代表例ですが、私たち司法書士もその中に含まれています。

これは、マネー・ローンダリングの形態が、金融機関等による本人確認等の強化に伴い、それ以外の不動産売買などに仮装して行われることが多くなっており、そうした業務を取り扱う司法書士等も法律の対象とすべきと考えられるようになったためです。

犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成十九年三月三十一日法律第二十二号)

第二条
2  この法律において「特定事業者」とは、次に掲げる者をいう。
一  銀行
(・・・)
四十三  司法書士又は司法書士法人

 

3 特定事業者の義務

特定事業者の義務は次の通りです。

  1. 取引時確認
  2. 確認記録の作成・保存(7 年間保存)
  3. 取引記録等の作成・保存(7 年間保存)
  4. 疑わしい取引の届出(※司法書士等の士業者を除く)

4点目の「届出」については「士業者の依頼者との関係に与える影響等について引き続き検討を行う必要がある」ことから、士業者に限り義務対象から除かれています。
士業者の場合、各々法律上の守秘義務を負ったうえで業務を行っており、だからこそ依頼者も安心して相談できるという側面があります。にもかかわらず「疑わしい」という主観的要件のもと届出を義務付けることが士業者と依頼者の信頼関係に悪影響を及ぼさないのか、そういった点を「引き続き検討」するという趣旨であると理解しています。

犯罪による収益の移転防止に関する法律

第四条  特定事業者(・・・)は、顧客等との間で、(・・・)「特定業務」(・・・)のうち(・・・)「特定取引」(・・・)を行うに際しては(・・・)当該顧客等について、次の各号(第二条第二項第四十三号から第四十六号までに掲げる特定事業者にあっては、第一号)に掲げる事項の確認を行わなければならない。
一  本人特定事項(自然人にあっては氏名、住居(・・・)及び生年月日をいい、法人にあっては名称及び本店又は主たる事務所の所在地をいう。以下同じ。)
二  (・・・)

 

4 司法書士又は司法書士法人のかかわり

司法書士(および司法書士法人)について、具体的には次の事項が義務付けられています。

取引時確認【4条】
顧客との間で、特定業務のうち特定取引等を行うに際しては、本人特定事項の確認を行わなければならない
確認記録の作成・保存
【6条】
取引時確認を行った場合には、直ちに確認記録を作成し、特定取引等に係る契約が終了した日等から7年間保存しなければならない
取引記録等の作成・保存
【7条】
特定受任行為の代理等を行った場合には、直ちに取引記録等を作成し、特定受任行為の代理等の行われた日から 7 年間保存しなければならない
取引時確認等を的確に行うための措置【10 条】
取引時確認をした事項に係る情報を最新の内容に保つための措置を講ずるほか、使用人に対する教育訓練その他の必要な体制の整備に努めなければならない
 

5 司法書士又は司法書士法人における「特定取引」

犯罪収益移転防止法では、特定事業者が行う業務の全てが必ずしも義務の対象となるわけではなく、義務の対象となる業務(「特定業務」)の範囲が定められています。

  1. 宅地建物の売買に関する行為又は手続
  2. 会社等の設立又は合併等に関する行為又は手続
  3. 現金、預金等の財産の管理又は処分(財産価額が200万円以下を除く)

以上についての代理又は代行に係るものが同法の義務の対象であって、依頼者からの法律相談や監査業務等は対象となりません。

これらの「特定業務」を行うことを内容とする契約の締結(多くの場合「委任契約」となります。)を行う際に、契約をする顧客について本人確認を行うことになります。

 

6 本人確認

「本人特定事項の確認」とは、顧客の本人特定事項(顧客が個人である場合は@氏名、A住居及びB生年月日、顧客が法人である場合は@名称及びA本店(又は主たる事務所の所在地)について、運転免許証等の公的証明書等により確認することをいいます。

本人特定事項の確認を確実に行うことにより、仮名取引やなりすましによる取引を防止することとなります。

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