株式会社設立時の資本金について

株式会社設立時の資本金について

2021年5月14日

1.資本金の金額

(1)資本金は1円でもOK?!

「資本金」は会社運営の基礎となる資金です。
会社法では「資本金は1円でもOK」とされています。しかしながら、資本金を1円とする方はほとんどいないのではないように思います。

これは、①会社運営資金を資本金等から捻出するため、②第三者からみて余りに少額な資本であると取引先としての信用を損なうため、といった理由からだと推測されます。

当事務所においても、100万~500万円くらいとする方が多数です。

(2)許認可取得の際には資本金額に注意

会社設立と同時に、あるいは設立後において、営業のための許認可を取得する場合、一定金額以上の資本金が要求されたり、一定金額以上の資本金があることが好ましいケースがあります。

代表的なものが、労働者派遣事業(一定金額が必要)や建設業(一定金額あると楽)です。

設立後において資本金を増額する場合には、別途登録免許税が必要となります。
許認可の取得を予定しているならば、設立段階で、各許認可において必要とされる資本金額を確認しておくべきです。

2.発起人(出資者)が複数いる場合

発起人(出資者)が複数いる場合、普通株式のみを発行する会社であれば、出資金として払い込んだ金額に応じて議決権割合が決まってきます。

1株が1議決権かつ1万円として、資本金100万円のうち、Aさんが70万円を、Bさんが30万円を出資したとしましょう。
この場合、設立後の会社においては、Aさんが議決権の70%を、Bさんが議決権の30%を得ることになります。

重要事項の決定は株主総会で行われます。
株主総会では、決定事項に応じて、議決権の過半数の賛成が必要だったり、議決権の3分の2以上の賛成が必要だったりします。

設立後の会社運営を見越して、議決権割合を決定するべきです。

3.株式会社の設立手続きとの関係

(1)出資金の払込証明書が必要となる

株式会社の設立手続き(発起設立)において、出資がなされたことを証明する「払込証明書」が必要となります。
この払込証明書は、一定の書式に預金通帳のコピーを合綴し、作成します。

預金通帳のコピーにて出資金の入金記録が確認できる必要があります。
そのため「口座に出資金100万円がある」というだけではダメで、あらためて「100万円を入金する。」という作業が必要となります。

(2)発起人名義の口座が原則

出資金の振込先については、発起人の口座とするのが原則です。

「会社の口座でなくて良いのですか?」と質問されることが多いのですが、会社の口座は、会社設立手続きが完了した際に取得できる「会社の登記事項証明書」「印鑑証明書」が必要となるため、設立前には口座開設できません。

設立手続きにおいては、発起人名義の口座を便宜利用することになります。
なお、発起人名義であれば既存口座でもOKです。
会社設立用にあらたに開設する必要はありません。

また、銀行(たとえば静岡銀行、スルガ銀行、静岡中央銀行)・信用金庫(たとえば三島信用金庫、沼津信用金庫)・ゆうちょ・労金・農協はもちろんのこと、ネット銀行の口座でも利用可能です。
ネット銀行の場合には、口座名義人や振込金額が確認できるウェブ上のページを印刷して、通帳のコピーに代えます。

4.株式会社設立に関する手続は当事務所にご相談ください

(1)株式会社・合同会社・一般社団法人等の設立手続き

当事務所では、会社・各種法人の設立手続きを、代行しています。
設立手続きにおいては、会社設立後の運営を見据えた、定款設計を心掛けています。

一部の営業許認可については、設立手続きと一緒に、当事務所司法書士(行政書士資格保有)にて対応することも可能です。お気軽にご連絡ください。

(2)ご依頼にあたっては原則面談を必要としています

ご依頼にあたっては、原則として、当事務所での面談が必要となります。
なお、沼津法務局管轄内の以下の市町については、事前にご相談いただければ出張も可能です。
沼津市・裾野市・御殿場市・三島市・伊豆市・伊豆の国市・富士市・富士宮市・熱海市
駿東郡小山町・清水町・長泉町
田方郡函南町

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