株式会社の解散・清算結了の手続きについて

株式会社の解散・清算結了の手続きについて

1.株式会社の解散・清算結了とは

(1)解散・清算は会社を消滅させる手続き

株式会社の解散・清算結了とは、会社を「消滅」させるための手続きです。

株式会社は、法律上「人」と同じように扱われます。

ところが、株式会社には「人」と異なり、自然に死を迎える(消滅する)ということはありません。

会社を消滅させるためには、会社設立の際と同じように「法律上の手続き」を進める必要があり、それが「解散・清算」の手続きなのです。

この記事は、沼津の司法書士貝原事務所が執筆しています。
そのため、解散・清算に関する会社法(登記を含む)の手続きに関する記述が中心となっています。

(2)解散・清算の手続きには時間がかかる

「解散・清算」の手続きの特徴として「手続きを完了させるまでに時間がかかる」という点があります。

時間がかかる理由は、主として2つです。

  • 会社の資産・負債を整理して、空っぽにする作業が必要となるから。
    (会社内部の作業だけでは手続きが完了しない)
  • 債権者保護のため、「官報公告」から最低2か月間は、猶予期間をとらなければいけないから。

このほかにも、以下で確認するように、解散・清算手続きを進めるためには様々なステップをふまなければなりません。

そんなわけで、最短で進めたとしても3カ月弱くらいはかかるのが「株式会社の解散・清算」手続きです。
(清算事務に時間を要する場合には、少なくとも半年以上はかかる印象です。)

(3)解散・清算の手続きの費用

解散・清算の手続きの費用を大まかにまとめると次のとおりです。

  • 登記に必要な登録免許税【41,000円】
  • 官報公告の費用【約40,000円】
  • 清算事務に要する費用
  • 税理士報酬
  • 司法書士報酬

清算事務に要する費用は、会社の資産状況によって様々です。
また、税理士報酬も、依頼される税理士さんによって違いがあるでしょう。

司法書士報酬は、当事務所(沼津の司法書士貝原事務所)がシンプルな解散・清算の案件を受託するケースでは、13~15万円(税込)となっています。

2.株式会社の解散手続きの流れ

(1)解散手続きの流れ

解散手続きは次のように進んでいきます。

  1. 株主総会の特別決議で解散を決定
    (同じタイミングで清算人や代表清算人を選任するのが通例)
  2. 解散・清算人選任の登記申請を法務局に行う
  3. 債権者保護手続き(官報公告・個別催告)の実施
  4. 清算人による清算事務の実施

清算人の「清算事務」としては、公的機関・債権者に対する解散の届出・通知のほか、債権・債務の清算、会社資産の処分など多岐にわたります。

(2)解散の登記を法務局に申請

解散にあたっては、その事実を法務局に申請する必要があります。

また清算人・代表清算人の選任・就任についても、法務局に申請し、登記をする必要があります。

この際、登録免許税として【39,000円】が必要となります。

3.株式会社の清算結了までの流れ

(1)清算結了までの流れ

清算事務は最終的に次のステップをたどります。

  • 清算人による残余財産の確定
  • 株主への分配
  • 株主総会において清算事務報告の承認(清算結了により会社が消滅)
  • 清算結了の登記を法務局に申請する

(2)清算結了の登記を法務局に申請

清算手続きが完了した際には、清算結了の登記を法務局に申請します。
(清算結了の登録免許税は【2,000円】です。)

これにより会社の登記は「閉鎖」されることになります。

4.解散・清算手続きを専門家に依頼する

(1)清算実務のサポートは税理士に!

解散・清算手続きにおいては、解散による確定申告など、税務手続きが重要となります。

さらには、清算事務において「会社資産の個人への譲渡」など税務的な論点をともなう行為が多く必要となります。

税理士の存在は大きな助けとなるでしょう。

(2)解散・清算にともなう登記申請は司法書士に!

解散・清算手続きにおいては、解散・清算人選任・清算結了などの登記手続きも必要となります。
(また、事案によっては会社名義の不動産を個人に移転するなど、不動産登記の手続きも必要になってきます。)

登記手続きをスムーズに進めるために、ぜひとも登記手続きの専門家である「司法書士」を活用してください!

(3)債務超過で清算ができない場合には

これまで、会社を解散し、滞りなく清算結了の手続きまで完遂できることを当然の前提としてきました。

ところが、なかには会社の資産よりも負債のほうが多く、会社財産の全てをもってしても負債を整理しきれないケースもあります。

こうした場合には、通常の清算手続きをとることはできないので、特別清算・破産などの他の手続きを選択する必要があります。
債権者との交渉を要する場合もあるため、弁護士に相談したうえで、手続きを進めることを強く推奨します。

5.沼津の司法書士貝原事務所と解散・清算の登記

(1)沼津市の司法書士「貝原事務所」です

当事務所は、沼津市に事務所をおく「司法書士法人貝原事務所」です。
司法書士2名が所属し、沼津市内に2か所の事務所(宮町・若葉町)を設けて、司法書士サービスを提供しています。

(2)解散・清算をはじめとした会社の登記を扱っています

当事務所では、この記事でご紹介した「株式会社の解散・清算結了の登記手続き」のほか、株式会社・有限会社の設立・各種変更の登記を取り扱っています。

また、株式会社だけでなく、合同会社・一般社団法人・医療法人・NPO法人など、様々な種類の法人の解散・清算結了の登記手続きにも対応しています。

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