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1.医療法人と行政手続き
(1)医療法人の目的
医療法人の運営にあたっては、数多くの行政手続きが関係してきます。
申請先となる代表的な行政機関が「保健所(県)」と「法務局」です。
この記事では 「保健所(県)」に対する各種届出、「法務局」 に対する申請について解説していきます。
(2) 医療法人の各種手続きに関しては
当事務所(沼津市の司法書士貝原事務所)では、行政書士兼業の司法書士が、医療法人に関する登記はもちろんのこと、役員変更届(理事や監事のみの変更手続き)等にも対応しております。
沼津市・三島市をはじめとする静岡県東部地域を中心に、複数の医療法人から、ご依頼をいただいております。
医療法人に対する行政庁によるガバナンスは年々強化される傾向にあります。法律・定款の規定に沿った運営を行うにあたり、専門職の活用を是非ご検討ください。
2.医療法人と行政手続き
(1)設立認可
医療法人を設立しようとするときは、知事の認可を受ける必要があります。
認可手続きは、申請スケジュールが厳格に定められており、静岡県の場合には年に2回しか受付タイミングがありません。
また、受付前に担当部署との事前協議を終わらせないといけないため、事前のスケジュール組みが重要となります。
(2)役員変更届
役員に変更があった場合(任期満了に伴う重任の場合を含みます。)は、医療法人の役員変更届を、遅滞なく提出する必要があります。
登記は理事長に変更があったときのみ必要となりますが、この役員変更届は理事長のみならず理事・監事について変更があった場合にも必要となります。
(3)事業報告
医療法人は、毎会計年度終了後2月以内に事業報告書等を作成し、法人内にて所定の手続きを経たうえで、これを管轄庁に提出しなければなりません。
(4)定款変更
医療法人は、定款に規定している事項のうち、事務所の所在地と公告の方法以外の事項を変更しようとするときは、知事の認可を受ける必要があります。
認可の不要な定款変更を行った場合においても、定款変更の届出が必要となっています。
(5)登記届
医療法人が変更の登記をしたときは、遅滞なく、登記届を行う必要があります。
※このほかにも保健所や所管の地方厚生局への届出・申請も必要となってきます。
3.医療法人と登記手続き
(1)設立登記
医療法人は設立認可を受けた後、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることにより成立します。「認可によって設立」ではありませんので、注意が必要です。
設立登記においては、定款に記載された目的・名称のほか、主たる事務所や理事長の住所・氏名、資産総額が登記事項となっています。
(2)登記事項の変更登記
主なものは次のとおりです。
- 理事長の変更
なお、理事は登記事項ではないため、理事長にかかわらない理事の追加選任や辞任は登記には影響しません。ただし、役員の変更は、行政庁への届出事項となっています。
また、理事は2年改選となっており、同一人物が理事長を再任する場合においても都度登記が必要となります。 - 資産の総額の変更
決算期ごとに登記する必要があります。従って、1年に1回は登記申請が必要となります。くわえて、事業報告を行政庁に対して行う必要があります。 - 解散・清算の登記
医療法人を社員総会決議によって解散する場合には、静岡県知事の認可が必要となります。設立認可と同様に、解散認可についても申請スケジュールが厳格に定められており、静岡県の場合には年に2回しか受付タイミングがありません。また、受付前に担当部署との事前協議も求められています。
登記手続きについて、下記記事もご参照ください。
【参照記事:医療法人の登記手続きについて】
5.医療法人の各種手続きについては
当事務所では、行政書士兼業の司法書士が、医療法人に関する登記はもちろんのこと、役員変更届(理事や監事のみの変更手続き)等にも対応しております。
ときおり、法律・定款の規定から外れたかたちでの運営がなされる医療法人を目にしますが、行政庁によるガバナンスは年々強化される傾向にあります。法律・定款の規定に沿った運営を行うにあたり、専門職の関与が必要となるケースは少なくないと思います。
なお、当事務所では、基本的には「東部保健所」「御殿場保健所」「富士保健所」の管轄地域を基本的な業務範囲としております。

