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1.家庭裁判所に「遺言執行者の選任」を申立てる
遺言によって遺言を執行する人が指定されていないとき又は遺言執行者がなくなったときは、家庭裁判所は、申立てにより、遺言執行者を選任することができます。
この記事では、家庭裁判所に対して、遺言執行者の選任を申立てる際の「費用」「必要書類」をご紹介します。
2.遺言執行者選任の申立てについて
(1)申立ての必要性
遺言執行者は、遺言の内容をスムーズに実現するために重要な役割を果たします。
遺言執行者の選任の申立てをした後に、どのような手続きが家庭裁判所で行われるのかも、あわせて確認していきましょう。
遺言執行者の役割については、つぎの記事をご参照ください。
【参照記事:遺言執行者の役割・意義について】
(2)申立ては「利害関係人」から行うことができる
利害関係人(相続人、遺言者の債権者、受遺者など)であれば、申立人となることができます。
申立先は、遺言者の最後の住所地の家庭裁判所です。
申立てに必要な費用としては、つぎのとおりです。
- 執行の対象となる遺言書1通につき収入印紙800円分
- 連絡用の郵便切手
(申立てされる家庭裁判所ごとに異なります。各裁判所HPあるいは電話問合せで確認する必要があります。)
3.申立てに必要な書類
- 申立書
- 標準的な申立添付書類
- 遺言者の死亡の記載のある戸籍謄本(申立先の家庭裁判所に遺言書の検認事件の事件記録が保存されている場合(検認から5年間保存)は添付不要です。)
- 遺言執行者候補者の住民票又は戸籍附票
- 遺言書写し又は遺言書の検認調書謄本の写し(申立先の家庭裁判所に遺言書の検認事件の事件記録が保存されている場合(検認から5年間保存)は添付不要です。)
- 利害関係を証する資料(親族の場合、戸籍謄本(全部事項証明書)等。受遺者の場合には遺言書より明らかであるので不要です。)
自筆証書遺言の検認申立てに引き続きなされることが多く、その場合には、大幅に添付書類が省略されます。
4.申立てから「選任」までの流れ
- 申立てにより家庭裁判所は遺言執行者選任の審判を開始します。
- 審判のために、申立人や候補者が家庭裁判所に出頭することは予定されておらず、出頭しないかわりに、申立人及び候補者宛に照会書が家庭裁判所から送付されるの通例です。
(候補者に対しては、候補者の職業や遺産の内容等を簡単に確認するもの。)
(申立人に対しては、申立の経緯や候補者を挙げた理由を簡単に確認するもの。) - 上記照会を踏まえ、家庭裁判所は審判を行い、遺言執行者を選任します。審判の内容は、審判書として申立人及び遺言執行者に送付されます。
- この審判書を、この後の登記手続等において利用することとなります。
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