自筆証書遺言の検認手続

自筆証書遺言の検認手続

2020年12月31日
相続・遺言

検認について

検認とは、相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。検認手続は、公正証書遺言と法務局保管自筆証書遺言以外の方法で作成された遺言書について必要となります。

注意していただきたいのは「検認を受けること」と「遺言書が有効であること」は同じではないということです。特に自筆証書遺言では、遺言書としての形式の不備により、その後の手続を進めることができないというケースがあります。

検認手続を受けないことのデメリット

遺言書の中に不動産に関する記載がされていた場合、亡くなった方から不動産の名義変更をする必要があります。名義変更の手続きに際しては、遺言書が必要書類となりますが、検認を受けていない遺言書では登記申請を法務局に却下されてしまいます。
また、金融機関も、検認を受けていない遺言書による預金口座等の名義変更の手続きは受けつけないとういうのが通例です。
結局のところ、自筆証書遺言を利用して遺産承継手続きを行うにあたっては、検認手続きが必須となります。

検認手続を申し立てるべき家庭裁判所

検認手続は、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所となります。
静岡県東部ですと沼津・富士・下田・熱海に家庭裁判所があります。
各家庭裁判所の管轄は裁判所HPにて確認ください。

検認手続の申立て

各家庭裁判所の用意する定型の書式に必要事項を記入し、戸籍(遺言者、相続人等々)・住民票・収入印紙・予納切手などとともに申立てを行います。

後述するように、遺言者の相続人に対して通知を行う必要があるため、遺言者の相続人を確定させるのに必要な戸籍等を収集し、提出する必要があります。
相続人のパターンごとに、必要となる戸籍等が異なります。一般の方には対応が難しいこともあるかと思いますので、必要に応じて司法書士等の専門家の利用をご検討ください。

申立後、書類の不備・不足がなければ家庭裁判所より申立人に検認期日の確認の通知又は電話が入ります。ここで候補日時を絞ったうえで、各相続人に検認期日を通知する葉書が家庭裁判所から郵送されます。

検認期日において

申立人は必ず、検認期日に申立を行った家庭裁判所へ、遺言書を持参した上で出頭してください。
申立人以外の相続人については、必ずしも出席が必要というわけではありません。
実際の検認手続では、家庭裁判所より保管状況等の確認、遺言書の方式の調査を行います。

検認済証明書の発行

遺言の執行をするためには、遺言書に検認済証明書が必要となります。
検認手続終了後、「検認済証明書」をホチキスと契印で綴じられた遺言書が交付されます。これで手続は終了です。
なお、ケースによっては遺言執行者の選任が必要となることがあります。その場合には、続けて、家庭裁判所に対して遺言執行者の選任の申立てを行うこととなります。