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不動産を売買にした場合に、どのように不動産名義を変更していくのか、一般的な流れをご紹介します。
おおまかに言うと、つぎのとおりです。
- 所有者の住所・氏名の変更
- 抵当権等の登記の抹消
- 所有権移転登記
- 抵当権設定登記
- 住宅用家屋証明の申請
それぞれの項目については、次項以下で、もう少し詳しく確認していきます。
1.所有者(売主)の住所・氏名を現在の住所・氏名に変更
登記上に記録されている所有者(売主)の住所が、転居などによる住所の移転により、現在の住所が異なっている場合には、所有者の住所を変更するための登記が必要となります。
住所だけではなく、所有者の氏名についても変更があった場合(例:結婚により姓が変わった)には、所有者の氏名を変更するための登記が必要となります。
2.抵当権等の登記の抹消
売主様が不動産を購入する際に住宅ローンを利用している場合、住宅ローンの担保として不動産に抵当権が設定されるのが通常です。
この場合には、買主に所有権を譲渡する前に、買主は抵当権の登記を抹消しなければなりません。
不動産売買契約書の中の、次のような条項に基づく売主の義務です。
売主は、本件土地建物の所有権移転のときまでに、本件土地建物に存する抵当権、質権、先取特権又は賃借権等の登記若しくは本件土地建物の所有権の完全なる行使を阻害する一切の負担を抹消排除しなければならない。
この条項に従い、抵当権のほかにも差押えなどの登記がある場合には、引渡しの時までに差押登記が抹消できる状況にしなければなりません。
抵当権や差押えについては、債権者である銀行・サービサー・県市区町村などと交渉する必要があります。
不動産仲介などが入っている場合には、仲介業者さんが担当することとなります。
3.所有権移転登記
売主より買主に対して所有権を移転し、共同で所有権移転登記を申請します。
所有権の移転は売買代金全額の支払いと同時に、かつその際に移転のために必要な登記をそろえるのが通常です。
不動産売買契約書の中の、次のような条項に基づく売主・買主双方の義務です。
- 本件土地建物の所有権は、買主が売買代金全額の支払いを売主に支払ったとき、売主から買主に移転します。
- 本件土地建物の登記は、前項による所有権の移転ののち直ちに、売主・買主が協力して申請しなければならない。
この条項に従い、売買代金全額の支払いと同時に所有権移転登記を行うのですが、通常は銀行等の応接室に、買主(および仲介業者)・売主(および仲介業者)・司法書士が一堂に会して、代金の授受と登記必要書類の確認を一気に行います。
この場における司法書士の役割は以下のようになります。
- 抵当権抹消など所有権移転の前提となる登記申請のために必要な書類が漏れなくそろっていることの確認
- 売買代金授受による所有権移転の確認
- 所有権移転の登記申請に必要な書類が漏れなくそろっていることの確認
4.抵当権設定登記
買主が売買代金支払いのために住宅ローンを使用しているケースでは、借入先の金融機関が不動産に対して抵当権を設定するのが通常です。
この場合には購入した不動産に対する抵当権設定登記を、所有権の取得(融資実行による売買代金の支払い)と同時に行わなければなりません。
5.住宅用家屋証明の申請
買主が、登記とは別になすべきものとして住宅用家屋証明の申請があります。
登記をする際には登録免許税という税金がかかります。
この税金は住宅用家屋(そのほか細かい要件については省略します)の購入にあたっての減税措置が用意されています、減税の対象となることの証明書を取得し、登記申請の際にあわせて申請することで費用負担が軽減されるのです。
