農地法の種類と許可の方針について

農地法の種類と許可の方針について

2021年5月31日

1.農地法上の農地の種類

(1)農地法の許可と許可基準

農地法の4条・5条許可については、農地の種類ごとに許可の基準が立てられています。
そのため、農地の種類を知ることは、許可を得る手続きを行うにあたり非常に重要です。

(2)農地の種類

農地は、農地経営・市街地化の状況によって、5つの種類に区分されています。
各分類の説明は正確性を欠きますが、大まかにいうと以下の通りです。

  1. 農用地区域内農地
    :市町の定める「農業振興地域」内の「農用地区域」のなかにある農地のこと。通称「青地」。
    ちなみに「農業振興地域」内だけれど「農用地区域」外にある農地は通称「白地」。
  2. 甲種農地
    :市街化調整区域内にある特に良好な営農条件を備えている農地
  3. 第1種農地
    :集団農地や農業公共投資等が行われている農地など。生産性の高い農地。
  4. 第2種農地
    :市街地化が見込まれる区域内にある農地。または小集団で生産性の低い農地。
  5. 第3種農地
    :市街地区域内にある農地など

2.農地の種類の確認方法

農地の種類を知るためには、各市町にある農業委員会に問合せをします。
簡易的には、「全国農地ナビ」というサイトで確認することもできます。

なお、農地法上の各種許可の取得にあたっては、地域ごとに異なる条件が課されていることもあるため、担当部局への事前確認が必要不可欠です。

3.農地の種類ごとの許可方針

詳細は省略しますが、上記1の種類ごとに、つぎのような大方針が設定されています。これを「立地基準」といいます。

  1. 農用地区域内農地:原則不許可
  2. 甲種農地:原則不許可
  3. 第1種農地:原則不許可
  4. 第2種農地:一部の場合に限り許可(代替性の検討がおこなわれる)
  5. 第3種農地:原則許可

なお、許可・不許可は農地の種類だけで判断されるものではなく、利用計画や周辺農地への被害防止措置なども考慮要素となります。

4.許可の取得を目指すなら専門家に相談!

農地の種類を確認することは、その後の許可取得にあたって非常に重要なことです。
一方で、農地の種類を確認することは、許可取得の第一歩にすぎません。

重要なことは、農地の種類に基づいた許可基準を把握し、
「許可を得られる見込みがあるのか」
「許可取得のハードルは何か」
「ハードルを越えるためには当初の計画の変更が必要であるか」といった、より具体的な条件を検討することです。

そうした検討にあたっては、行政書士などの農地法許可の専門家に相談しながら、手続きを進めていくことが大切です。

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