成年後見申し立ての事例

成年後見申し立ての事例

2020年12月21日
成年後見
守秘義務および個人情報保護の観点から、実際の事案を変更・編集して記載しています。

身内が自宅での独居が困難な状態のため成年後見制度を利用したい

依頼者はAさん。(沼津市在住)
叔母Bさんの老後の面倒を見てきました。
とはいえ、これまでBさんは健康そのもので、Aさんのやることは、ときおりの様子見と、大きな買い物をするさいに同伴することくらいでした。
ところが、3カ月ほど前、Bさんが自宅で倒れ、緊急入院することとなりました。
原因は脳梗塞で、高次脳機能障害が残る状態になってしまいました。
自宅で独居を続けることは困難であるため、老人ホームに入居することとなりましたが、老人ホームとの契約、金銭管理、空き家となる自宅の管理など、以前は考えもしなかった課題が降りかかってくることとなりました。

後見制度のメリットとデメリットを理解された上での利用をおすすめします

弊所での打合せ前までに、すでにAさん自身、成年後見制度に関して一通りの知識をお持ちでした。
従い、成年後見制度の利用を前提として、Aさん、あるいは叔母様の抱える課題をどう解決していこうかというのがスタート地点となりました。

親族が近くにいて、施設との契約も、日常的な金銭管理も問題なく行えるのならば、たとえばご本人が認知症のケースにおいても、かならずしも成年後見制度を利用しなくても良いのではないか、というのが弊所の考え方です。(ただし、成年後見制度を利用しないことを積極的に推奨するわけではありません。)
後見制度を利用するメリットとデメリットを、申立人となる親族の方が正しく理解されたうえで、判断すべきことと考えています。
とはいえ、今回のケースでは、金銭管理はもちろん、空き家となってしまったBさん自宅の管理(将来的には売却)など、後見制度の利用が不可避と思われる事案でした。

そこで、かりにAさんが後見人に就任した場合に(注1)、Aさんにはどういった義務が発生するのか、一緒に確認をしました。そのうえで、Aさんとしては、身上監護(施設入所契約などご本人の生活環境を整えること)部分は担当できるけれども、金銭管理(入出金の管理や自宅の管理・売却など)については第三者に任せたいとの意向が固まりました。

注1:後見人の選任は裁判所の専権ですので、Aさんが望んでも後見人になれない場合があります。

従い、裁判所に対しては、後見人候補者として、身上監護部分についてはAさんを、財産管理部分については裁判所が適当と認める後見人を選んでほしいとの内容で、後見開始審判の申立てを行いました。
幸い、裁判所の判断もAさんの申立て内容にそうものとなり、Aさんと第三者の司法書士が後見人に選任されました。
叔母様が倒れた直後は、Aさんも降りかかる様々な問題に混乱してしまい、落ち着いて叔母様のことを考えられなかったとのことです。
今回、職務分担する形で後見人に就任したことで、叔母様の生活環境を整えることに集中できるようになったと喜んでいらっしゃいました。