ご相談・ご依頼から業務完了まで【相続登記(未成年者含む)】

ご相談・ご依頼から業務完了まで【相続登記(未成年者含む)】

この記事では、モデルケースを利用して「相続登記(未成年者含む)」に関するご依頼を、初回相談から課題解決まで、どのように進めていくのか確認していただくことを目的としています。

1.モデルケース ~未成年者を含む相続登記~

沼津市にお住いのAさん。ご主人を病気で亡くされ、Aさんとお子様(BさんとDさん)とで相続することとなりました。
Bさんは既に成人していますが、Dさんは未成年(15歳)です。

当初は、ご自身で相続登記の手続きをしようと法務局に行きましたが「裁判所に特別代理人を選任してもらってください」といわれ、チンプンカンプンで困っていました。

2.初回相談の内容

HPをみて問合せをいただき、初回の打ち合わせは、Aさんのご自宅にてお子様同席の上、行うこととなりました。事前に調整がつけば、ご自宅に伺うことや土日祝日に打ち合わせを行うことも可能です。

(1)依頼内容 ~未成年者を含む遺産分割~

Aさんやお子様としては、遺産承継についてはAさんが単独で取得することを希望していました。Dさんはもちろんのこと、Bさんもまだ学生で、学費等はAさんに支出してもらうことを考えると、Aさんが遺産を全て承継することは自然な流れと言えます。

(2)当事務所からの確認事項

相続人に未成年者を含む相続手続きの場合には、多くのケースで「特別代理人の選任」が必要となります。
そして、特別代理人の選任は家庭裁判所に対して選任の申立てをすることによっておこないます。この選任の申立てをする際、「どのような内容で遺産分割を行う予定か。」「遺産分割の内容は、未成年者の法定相続分をどのように考慮しているのか」を説明する必要があります。
家庭裁判所に説明する事項を念頭に置きながら、お客様から遺産の内容や遺産分割の予定を確認していきます。

3.課題解決までの流れ

初回相談において、大まかな費用感をご提示し、了承いただいたので弊所での作業に入ります。なお、正式な見積書をお出しすることも可能であり、作業着手までの進め方は、お客様の要望に合わせて対応しています。

(1)当事務所の対応 ~ポイントは特別代理人選任申立て~

  • 相続人確定のための戸籍集め
  • 相続する不動産確定のための作業(固定資産評価証明書や名寄帳の取得)
  • 遺産分割協議書案の作成
  • 家庭裁判所に提出する特別代理人選任申立書の作成
    この申立てに際しては「相続する財産の内容」「未成年者の法定相続分が満たされた遺産分割案になっているか。満たされていないのならば、その合理的な理由は何か。」という点を、家庭裁判所に対して説明する必要があります。
    お客様と打合せを重ね、この点を説明する資料もあわせて作成します。
  • 相続登記の申請と完了書類の返却

(2)お客様に対応していただく作業

  • 特別代理人候補者の選定
    相続人は特別代理人とはなれないので、多くのケースでは未成年者からみた叔父さん・叔母さん(相続人ではない)に依頼するのが通例です。
  • 相続人間で話し合いをおこない遺産の分割方法を決定する(遺産分割協議の実施)
    遺産分割の方法を相続人で決定したうえで、これを「遺産分割案」として特別代理人選任審判の申立ての際に、家庭裁判所に提出します。
    分割案の策定にあたっては、特別代理人候補者にも確認してもらうと後の手続きがスムーズに進むでしょう。
  • 特別代理人候補者の戸籍や住民票の取得
  • 当事務所が作成する遺産分割協議書への署名押印
  • 相続人全員(未成年者の場合は代わって特別代理人)の印鑑証明書の取得

4.対応期間

未成年者が相続人に含まれ、未成年者に対して特別代理人を選任していくような相続登記においては、相続人の数が2~3名であれば、3~4カ月程度で業務完了となります。

時間を要するのは、「遺産分割協議書案の作成」「特別代理人選任審判」といった作業です。「特別代理人選任審判」は、裁判所の手続きとなりますが、しっかりと準備していけば1カ月から1カ月半ほどで完了となります。

繰り返しになりますが、「特別代理人選任審判」においては未成年者の法定相続分への配慮が必要となりますので、この点に注意しながら遺産分割協議を進めることが、スムーズに手続きを完了させるためのポイントとなります。