株式会社と合同会社との比較(司法書士の目線から)

株式会社と合同会社との比較(司法書士の目線から)

2021年5月29日

1.合同会社か株式会社か

(1)選択を迷う方が増加

会社設立の話をする際に、ほとんどの方は「株式会社」の設立を希望されます。

ただし、最近は、最初から合同会社の設立を希望されたり、合同会社か株式会社か悩んでいる状態で当事務所にご相談にお越しいただくといったケースも増えてきました。

ひとえに「合同会社」の認知度があがっているからだと思います。

(2)結論を先取りすると

結論を先に述べると「合同会社を選択するメリットがあるケースは限定的であり、基本的には株式会社を選択するのが良いのではないか」というのが当事務所の考え方です。

いっぽうで「一人会社(出資者も役員も一人)で、法人格のみがあればよく、設立コストを徹底的に抑えたい。」という方にとっては、合同会社は魅力的ではないかと思います。

そのうえで、合同会社と株式会社を比較してみていきたいと思います。
細かい点をあげればキリがないため、要点を絞って、ご紹介していきます。

2.知名度の違い

まずは知名度の違いです。
株式会社はほとんどの方が知っていますが、合同会社については、またまだ知名度が低いのが現状です。

とはいえ、合同会社の知名度は確実に上がってきていますし「あくまで法人格が欲しいのだ」とか「会社名ではなくブランド名で勝負するんだ」という方にとっては、あまり問題とならないのかもしれません。

とくに飲食店や美容室を経営されている方で、店舗名と運営会社名を分けるケースなどが該当します。

3.会社の仕組みにおける違い
(決算公告や役員任期に差が!)

(1)おおまかな点は一緒

会社の仕組みづくりの点においては、合同会社においても、株式会社類似の定款設計をすることで一緒にすることができます。
また税制についても、株式会社と合同会社は同じ扱いを受けています。

ただし、株式会社には真似できない合同会社の特徴もあります。

(2)合同会社の特徴 ~株式会社との比較~

  • 役員任期に上限期限がない
    (結果として、任期ごとに役員を選任する必要がなく、また選任のたびに登記申請をする必要もない。)
  • 決算公告の義務がない
  • その他、定款により定められる範囲が広く自由度が高い

(3)合同会社のデメリット

ただし、「定款による自由度が高い」という点はデメリットでもあります。

配当や議決権割合なども定款で定めることができるため、会社法のデフォルトルールを大きく変更した会社運営も可能となりますが、それだけ第三者(取引関係者や新たに会社に参加しようとする人)にとっては不明確な部分が大きくなります。

定款の内容を決定するときにも、会社法のデフォルトルールや他の定款規定との関係性を考慮しながら、慎重に検討する必要があります。
複数人で出資して、複数人で経営の意思決定を行う場合にはとくに注意が必要です。

その意味で「プロ向け」な法人であると言えます。

(4)複数人で出資する時には注意

また、合同会社は「出資者=経営者」という仕組みが原則であり、この点は「出資者≠経営者」である株式会社と大きく異なります。
合同会社においては、経営者としてのみ参加することはできず、出資者となる必要があります。

そのため、複数人で出資して合同会社を設立する際には留意が必要ですし、設立後においても「会社からの脱退」「出資持分の譲渡」「相続への対応」など合同会社特有の論点があることから定款規定の定め方に工夫が必要です。

4.会社設立時における違い
(定款認証の要否、登録免許税の違い)

(1)設立コストは合同会社が安い

株式会社においては、会社設立にあたって公証役場において「定款認証」という手続きが必要となります。
定款認証には、公証人への手数料もかかります。平均的には5万円くらい手数料がかかります。

一方で、合同会社においては、設立にあたり定款認証は不要です。くわえて、設立登記の際の登録免許税が株式会社は最低15万円、合同会社は最低6万円となっています。

設立手続きを司法書士に依頼せず、自分でやった場合には、合同会社のほうが設立コストが14万円ほど安くなります。

(2)設立後に株式会社に移行することも可能

「とりあえず合同会社で設立して、必要があれば株式会社に変更する。」ということも可能です。

ただし、合同会社から株式会社への変更には、債権者保護手続きために最低でも1カ月の期間が必要ですし、その準備期間も含めれば2カ月~3カ月くらいの期間をかけて進めていくのが通常です。

5.合同会社をはじめとした各種法人の設立手続き

当事務所では、合同会社をはじめとした各種法人の設立・変更手続きを代行しています。
面談での打合せを必須としている都合上、静岡県東部地域(沼津、富士、三島など)のお客様が中心となっております。

合同会社のほか、株式会社・一般社団法人といった一般的な法人はもちろん、社会福祉法人・医療法人・事業協同組合などの特殊な法人の登記にも対応していますので、お気軽にお問合わせください。

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