抵当権を抹消しないとどうなる?困ることってあるの?

抵当権を抹消しないとどうなる?困ることってあるの?

2020年12月21日

住宅ローンを完済することで抵当権の消滅するけれど・・・

住宅ローン等の完済により、土地や建物に設定されている抵当権は、実体的には消滅します。

しかしながら、土地や建物の登記に記録されている「抵当権設定登記」は、自ら申請しなければ、土地・建物の登記情報に永遠に残り続けます。
実体上は消滅しているのだけれども、形式的な「登記記録」が残ってしまうのです。

抹消手続きをとることなく放置してしまうと、次のような「困ったこと」が起きてしまいます。

  • 必要書類や手間が増える(抹消手続きの期間が数か月、場合によっては数年かかることも!)
  • 円滑に不動産を売却することができない(売主は、抵当権等を抹消して買主に引き渡す義務がある。

そのため、 住宅ローン等の完済後に、金融機関から抹消に関する書類を受領したら、速やかに抵当権抹消の手続きを進めるべきです。

2つの「困ったこと」について、詳しく見ていきましょう。

困る点1 必要書類や手間が増える

(1)金融機関から受け取った書類の有効期限が切れる!

金融機関から交付される抵当権抹消書類のなかに「代表者事項証明書」というものがあります。この証明書は発行後3ヶ月で効力が失われ書類として利用できなくなります。
その場合には、新たに法務局で発行を受けることが必要となります。

(2)金融機関の代表者が変わってしまう!

変更金融機関から交付される抵当権抹消書類のなかに「(金融機関からの)委任状」があります。
期間が経過することによって、委任状に記載された代表者が交代してしまった場合、新たに委任状を受領しなければなりません。(新たに委任状を受領せず処理する方法もありますが、添付書類の追加・申請書への追記など別途対応が必要となります。)

(3)金融機関から受け取った登記識別情報(権利証)の紛失

金融機関から交付される抵当権抹消書類のなかに「登記識別情報(権利証)」があります。
これを紛失してしまうと再交付ができないため、通常とは異なる手続(事前通知制度)をとる必要があります。

この場合、期間・費用が通常よりも多くかかる可能性があります。また不動産の売却が絡むケースでは、スケジュールの観点からも大きな問題を生じさせます。

困る点2 円滑に不動産を売却することができない

古い抵当権が売却あるいは売却スケジュールの障害となることがあります。
売却にあたっては、既存の抵当権を抹消したうえで、取引を行うことが通常です。

抹消のための書類が、売却時に完全にそろえば問題はありませんが、前述のように期間の経過によって追加の書類や手続が必要となることがほとんどです。
追加の書類あるいは手続きが、所有者限りで完了できるものであればよいのですが、例えば「抵当権者である銀行の委任状が必要となった」ということにあれば金融機関側での手続きに相応の時間がかかることになります。

想定外の時間がかかることによって、売却スケジュールが大きく変更となったり、最悪の場合、取引自体が白紙に戻ってしまうケースも発生しかねません

当事務所にて「完済してから期間が経過した抵当権を抹消して欲しい」とのご依頼を受けるケースでは、ほとんどが、不動産の売却手続きを進めたいお客様からの依頼です。
そうしたお客様のなかには、抹消していなかった抵当権があったため売却スケジュールを変更せざるを得なくなった方も少なくありません。

はやめに抹消手続きをしましょう!

通常の抵当権抹消手続きは数週間で完了します(しかも、そのほとんどは法務局での処理期間です。)。

ところが、抵当権抹消手続きを放置することで、抹消手続きの期間が数か月、最悪のケースでは数年となってしまうこともあるのです。

余計な手間を増やさないためにも、はやめに抹消手続をとることをおすすめします。

ご自身で行う時間がない、あるいは手間であるということであれば、是非、お近くの司法書士にご依頼ください。

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