相続登記のご依頼をいただいた土地・建物に、古い抵当権が抹消されずに残っている土地を目にすることがあります。
明治、大正あるいは昭和初期に設定された抵当権で、担保されている債権はすでに弁済されたか、あるいは時効消滅となったか、いずれにせよ被担保債権は消滅し抵当権自体も効力を失っているものと考えられます。
そうした抵当権であっても抹消登記手続きを進めることは可能です。
とはいえ、いくつかの抹消方法があること、手続きや必要書類が複雑であることから、お困りの際は司法書士にご相談されることをお勧めします。
当事務所では、静岡県東部地域(沼津・三島・御殿場・裾野)を中心として、上記のような古い抵当権の抹消手続きを代行した経験があります。
通常の抵当権であれば、ご自身で手続きを進めることも可能ですが、こうした古い抵当権については難しい点が多いように感じます。
手続きの進め方については、別記事にも記載していますので、そちらもご参照ください。
抵当権者を探す
「抵当権者」となっているのは、昔の町や村、昔の農業協同組合や銀行、時としては個人であったりします。
昔の町や村、昔の農業協同組合や銀行などであれば、それほど苦労することなく「現在の抵当権者」を探すことができます。
個人の場合には、戸籍をたどることにより相続人を確認することができますが、相当前に亡くなられていると思いますので相続人が多数に上る可能性が高いです。
抵当権の抹消
抵当権の抹消は、抵当権が設定された不動産の所有者と抵当権者が共同で申請しなければなりません。
そのため古い抵当権を抹消する場合でも、「抵当権者」を探し出し、その方から必要な書類に署名や押印をもらいます。
「抵当権者」と連絡が取れなかったり見つけられなかった場合は、特別の手続きを利用し「抵当権者」の関与しない方法で抹消申請をおこないます。(共同申請の例外の手続をとるわけです。)
抵当権は早めに抹消しましょう
当事者の特定、特定した当事者からの書類の徴収、当事者不明の場合の特別な手続きなど、いずれの手段を選択しても、抹消完了まで非常に時間がかかります。
たとえ古い抵当権でおそらく効力はなくなっているであろうものでも、抵当権がついたまま売却することはできませんし、担保に提供することも出来ません。
時間がたてばたつほど、当事者の特定は困難になります。
当事者が特定できず、特別な手続を利用する場合、金銭的手続的な負担は増します。
古い抵当権を見つけた時には、司法書士に依頼して、はやめに抹消することをおすすめします。
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