後見人選任の申立てについて

後見人選任の申立てについて

成年後見

1.後見人選任には「申立て」が必要

法定後見制度を利用する場合には、後見人等の選任を家庭裁判所に対して申し立てる必要があります。選任の申立てを受けて、家庭裁判所は「サポーターの権限の範囲(類型)」と「誰をサポーターにするか」を決定します。申立てから決定までは、1カ月半から2カ月程度かかるのが通常です。

2.申立権者は誰か

後見人等選任の申立てをできる人は、法律で決められています。代表的な人が、本人・配偶者・4親等の親族です。
4親等の親族には、子供や孫は当然に含まれますし、兄弟姉妹や甥・姪も含まれます。

3.市町長申立て

近年、申立権者としての存在感が強くなっているのが、市区町村長です。実際のところは、各市区町村の福祉担当課が申立てを行っています。
上記のように4親等以内の親族であれば申立権者となることができるのですが、該当する親族がいなかったり、該当する親族がいたとしても疎遠であり申立てに非協力的であるケースが増えています。そうした場合に、市区町村長が申立人となるのです。
ただし、静岡県東部地域に限ってみても、市町長申立てへの取組み度合いには大きな差があり、行政による対応の改善が望まれるところです。

4.申立てに必要な書類

申立てにあたっては、申立書や各付属書類のほか、財産目録や収支状況報告書などの提出も必要となります。また、財産目録等の提出にあたっては、その裏付け資料(預金通帳、年金振込通知書など)のコピーも提出することになります。
さらには、診断書や本人情報確認シートなど類型判断に必要となる資料、戸籍や住民票に登記されていないことの証明書といった公的書面も必要となります。

家庭裁判所HPに、申立書のひな型や必要書類の一覧が掲載されていますが、とくに親族後見を希望するケースなどでは、申立ての意図を正確に家庭裁判所に伝えるためにも、司法書士等に相談しながら申立て手続きを行うことをオススメします。

5.後見人等候補者の記載

申立書には、後見人等候補者を記載することができます。本来、後見人等の選任は家庭裁判所の専権事項なのですが、候補者欄に記載がある場合には、まずは候補者を選任することの是非を判断するという流れになります。
候補者欄に記載された者が不適当であると判断されれば、原則通り家庭裁判所が適任と考える者を改めて選任することとなります。この際には、家庭裁判所の候補者名簿に記載された者(弁護士、司法書士、社会福祉士など)から選任されることとなります。
したがって、親族が後見人になることを希望する場合には、何にせよ候補者欄に親族の氏名等を記載する必要があるのです。

6.財産関係の書類について

申立てにあたっては、預貯金通帳や年金振込通知書などの財産関係の資料を添付する必要があります。ただし、本人が管理していたものの、管理能力を喪失していたため財産が散逸しているケースなどでは、不十分な内容にて申立てを行わざるを得ません。
たとえ親族であっても、金融機関や市町担当課では、本人の財産内容を教えてはくれませんので、申立段階ではやむを得ないのです。

7.司法書士による申立書作成サポート

申立書や必要書類については、家庭裁判所HPにおいて丁寧に案内されています。それらを参照すれば、とりあえず申立てをすることは、さほど困難ではないかもしれません。
ただし、親族を後見人としたいとか、遺産分割や不動産売却など特定の目的をもって選任手続きを進める場合には特に、裁判所に申立人の意図を正確に伝えることが必要となってきます。そうしたケースにおいては、是非とも司法書士による選任申立書作成のサポートを活用してください。